読む!ジュエリーワンダーランドの旅

こんにちは JFのミネワキです。

この春企画中の「ジュエリーワンダーランドの旅」ですが、それに合わせて、「読むジュエリーワンダーランドの旅」
と題しまして、みなさんに様々なジュエリーを紹介していきたいと思います。

まずは、旅行の説明会で紹介した2つの衝撃的なジュエリーからスタートです。

この2つのジュエリーは、どちらも少し不気味な感覚を起させます。

左側は17世紀イギリスのもの。

ヨーロッパではその当時、ラテン語で「mement-mori メメント・モリ」という思想が注目されていました。
英語では「Remember your mortality」、日本語では「自分が死すべきものであることを忘れるな。死を思え。」
のように訳されますが、このリングがまさにメメント・モリ の象徴的なリングなのです。

ゴールドのリングのフレームに七宝で象られた骸骨。
そして、その背後に編み込まれたものは、、、、、そう、髪の毛です。亡くなった人物の髪の毛を編み、ロック
クリスタルで封じ込める。ミステリアスでもありながら、引きつけられてしまいます。

「メメント・モリ」と聞くと、ミスチルのうたか、または藤原新也の大ベストセラーか。という連想になりますが、
「死を思うことで、自分の生を感じる」という前向きな解釈で身につけられていたものかもしれません。

髪の毛を使用するジュエリーには、亡くなった人のものだけでなく、離ればなれになってしまう恋人同士がお互いの
髪の毛をいれたリングを交換していたなんていうお話もあります。

メメント・モリ リング
ゴールド、七宝、ロッククリスタル、髪の毛
17世紀イギリス
フォルツハイム/シュムックミュージアム蔵

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フォルツハイムはちょっと郊外ですが、宝飾の街、黄金の街として、歴史あるジュエリーの街。
ここにあるシュムックミュージアムは、アンティークジュエリー、コンテンポラリージュエリー、
ワールドジュエリーに、なんと工具まで展示してある美術館。
こんな美術館世界でただ一つです。春のツアーでは一日バスツアーにて訪問します!

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そして右側は、理事長先生の世界のジュエリーアーティスト上巻・下巻の両方で紹介されているコンテンポラリー
ジュエリー界のキング、オットー クンツリ氏の作品です。

“Oh,Say!”と名付けられたアメリカで行った個展の中で、目に強烈な印象を残すこのブローチは、アメリカの新しい
シェリフバッチ(保安官のバッチ)として作られたもの。

詳しくは世界のジュエリーアーティスト下巻にて紹介されているのでそちらをご覧いただきたいのですが、ちらりと紹介いたします。

注意深くみると、いろいろなシンボルが重なっているように見えてきます。
アメリカがテーマ、ということを意識して見直すと、

・ミッキーマウスの耳(ミッキーはご存知アメリカ文化のシンボル的キャラクター)
・星(星条旗の星。シェリフバッチのデザインには、星=アメリカの州を守るイメージとして、星がよく使用されている)
・十字架(アメリカはキリスト教の理念に基づいて建国された国)
・KKKの頭巾(クー・クラックス・クラン 白人至上主義を唱える秘密結社。頭巾をかぶって活動していた)
・どくろ(そして死の歴史)

それぞれの形が重なったシルエットであることに気づきます。
世界を牛耳るアメリカが、自国の明と暗を内包したシェリフバッチをつけて、どんな風に世界を守ってくれるのか?
守れるのか?という問いかけが聞こえてくるようです。

このように、明らかにアメリカという存在そのものに焦点をあて、アメリカを象徴するアイコンとなるジュエリーたちを発表しました。
これよりも以前、1986年に発表された”The Big American Neckpiece”にも、同様のコンセプトを感じます。
(世界のジュエリーアーティスト下巻P12)

ここまで鋭く、ストレートに社会を考えさせるジュエリーを生み出せるのは、本当にオットークンツリ氏だけではないか、とすら
感じます。そんな厳しさの反面、造形の美しさにうなる作品、ユーモアたっぷりの作品、ご本人の様に愛に溢れた作品も多く、
現在も私たちを楽しませてくれています。

Oh,say!
オットー クンツリ 1991
ゴールド、ステンレス
8.8 x 8.8 x 0.5 cm

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そして2013年3月。偉大なるオットー先生の大きな個展がドイツミュンヘンで開かれます。
今回の旅で訪れる大きな目的の一つが、この展覧会訪問です。
オットー先生ご本人にあって、作品そのものを是非味わって下さい!

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旅行の説明会は終了致しましたが、資料や申込書をお渡しできます。
青山校舎2F、福本さんが窓口です。

申し込みは1月9日(水曜日)です。

次回は、オットー先生に続く若き天才、カールフリッチ氏の作品を紹介します!
ではまた!

ミネワキ