Rene van den Berg Workshop Report vol.1

シューメーカーコースの希望者を対象に、オランダのシューズクリエイターRene van den Berg(レネ バン デン バーグ)さんを招き、5日間のワークショップを行いました。


講師のRene van den Berg(以下レネさんと省略します)レネさんは17歳で靴を始め、整形靴の仕事を10年し、その期間に知識と技術を習得しました。27歳からデザイニングを始め、アーティストやファッションデザイナー達とコラボレーションする事でものづくりの幅を広げてきました。


レネさんの作品。「VOITTO」レネさんの、靴づくりをする上で最も重要なのは靴としてしっかりと”履いて歩ける”ということ。エッジの効いたデザインから想像はつきませんが、履いてみるとびっくりするほど履きやすいです!それは、通常靴づくりに使う木型を使わずに足から直接形作っているからだそうです。

今回のワークショップでは特殊な中底(靴の芯となる部分)とヒールの制作します。
中底は一般的にパルプボードや革で出来ており、そこにシャンクと呼ばれる幅15mm、長さ100mm程度の板状の鉄芯が入っています。
鉄ではなくカーボンを幅広く使うことでより丈夫で安定し、ヒールレスシューズなど様々な形に加工することが可能になります。
また、ヒールは体重を支える柱となるとても重要なパーツで、通常学生は既存のヒールを使用することがほとんどです。今回はレネさんのあみ出した独自の方法でオリジナルのヒールを作ります。

カーボンファイバーを適用した中底制作とオリジナルデザインのヒール制作、この2つをゴールとし、ワークショップが始まりました。

DAY1:カーボンファイバーで強化されたインソールの制作

まずは自己紹介を兼ねたレクチャーからスタートしました。各工程ごとに写真を使って丁寧に説明してくれたため、英語が苦手な学生も理解できた様です。


最初に中底の土台となる革を裁断し、その上にカーボンファイバーを入れるための土手を熱硬化樹脂で作ります。


次にその土手の中に編み目の異なる2種類のカーボンファイバーにエポキシ樹脂を含浸させながら幾重にも重ねていきます。


エポキシ樹脂が乾いたら、余分なカーボンファイバーをグラインダーで落とし、頑丈な中底の完成です。


レネさんの作品。中底、本底、ヒールが一体になっているユニークなサンダルです。学生に試着をさせてくれました!この技術を応用すればこんな形にも加工ができます。

DAY2:硬質ウレタンフォームを使用したヒール原型のキャスト

リサイクル牛乳パック紙を使用してヒールのポジションにボックスを作ります。


そこに硬質ウレタンフォームを流し込みます。溢れない程度に木型を回していると2液が混ざり、化学反応を起こして熱を発しながらカルメ焼きのようにみるみる膨れてきます。


30分程で完全に固まり、出来上がり!牛乳パックを剥がしていきます。


次にヒールの傾斜をグラインダーで削り合わせていきます。安定感が決まる重要なところなので、みんな真剣な表情。


この難しい工程もレネさんの手にかかれば、あっという間にピッタリと合わせてしまいます!レネさんの技術の高さに学生たちは圧倒されました。

つづきは Rene van den Berg Workshop Report vol.2 お楽しみに。
YASUI(Nagao)