INST CREATIVITY CAMP –KIZASHI– レポート

7/23(火)〜26(金)にかけて、インスティチュートコースは研修施設那須roundを拠点とした栃木県全域に広がる伝統工芸の工房を対象としたワークショップを行ってきました。

栃木県は江戸時代初期に日光東照宮造営のため、全国から腕の立つ職人たちが日光に集められ、その後、栃木県一帯に優れた伝統工芸品が多く生まれたと言われています。
今年3年目となるこのワークショップは、その地域で発展してきた技術やその土地ならではの素材と、その土地で働く職人たちへのリサーチ&インタビューを行いながら、未来の工芸のあり方「- 兆し -」について考えます。

講師はベルギー/アントワープ王立芸術大学ジュエリー&金工科で教鞭を執られている教授Nedda El-Asmer / ネダ・エル・アスマー氏。

ワークショップにはINST学生をはじめ、参加を呼びかけて集まった2名の他コースの学生と講師のネダ氏の教えるアントワープ王立芸術大学より学生4名が参加しました。

1日目:日光東照宮見学&工房見学・インタビュー
初日には全員で日光東照宮へ行き、江戸時代初期より続く案内人『堂者引き』と回ることで境内の建造物やそこに施された装飾にまつわる工芸の話を聞くことができました。

その後学生たちはグループに分かれ事前にアポイントを取っていた栃木県の工房を訪問し、工房の見学とインタビューを行ってきました。

学生グループ訪問工房
上より:益子草木染・小砂焼・杉線香・竹工芸・指物

職人の方々の協力により、良く理解するためにと多くのグループが材業や端材などをいただくことができました。

研修施設に着いてからはそれぞれが訪れた工房の現状や抱えている問題点、強みや弱みをまとめることで工芸に対する理解を深めました。

2日目:ワーク・工房訪問
2日目は初日にまとめた情報を踏まえて、新しい形で何を提案できるのかを具体的に検討します。

それぞれ提案の内容や現状によってアプローチは様々。深くリサーチをすればするほど提案内容にもリアリティーと深みが出てきます。
今年は同じ工房に二度訪ねるタイプAと別の工房に各一回訪ねるタイプBに分かれるという新しい試みです。
タイプAの同じ工房に戻るグループは次の日再度伺う時までに提案できる内容とそのプレゼン資料を用意しておかなくてはならないので、この日が最初の山場です。

タイプBは本日も別の工房を見学し、同じようにインタビューを行います。

学生グループ訪問工房:真岡木綿

3日目:ワーク・工房再訪問
二日続けて工房訪問をしたグループは研修施設で二つの工芸の特色を整理し融合させる提案を考えます。

一方、再訪問をする学生たちは提案を職人の方々にプレゼンテーションをし、その提案に対しての意見や疑問点などを話し合うことができました。

研修施設に戻ってから職人さんたちのコメントを元にアイデア、デザイン案を修正していきます。

今年は海外からの参加学生がいるため、通訳を交えながらも主に学生同士で協力し合い話し合いを進めます。

それぞれのグループがプレゼンテーションに向けモックアップなどを制作して行きます。

4日目:プレゼンテーション
最終日は竹工芸職人の佐川さんを迎え最終プレゼンテーション。海外から参加した学生が英語でパートを担当し英語と日本語両方でプレゼンテーションを行いました。

お越しいただいた佐川さんにはグループの発表・提案に的確な質問やご意見をいただきました。

実際に学生から発案された提案を職人の方に見ていただく機会があったことで、より具体的で実現可能な貴重な意見をいただくことができ、今後このワークショップで出たアイデアが実際に栃木県工芸の兆しになる可能性も感じられました。

今回のワークショップでは短い期間の中で具体的なデザイン提案を目指しましたが、このワークショップの発展としてINSTでは9月より個々のクリエーションを社会と繋げる「UNITED STATES OF JAPAN」という課題に入ります。デザイナーとしてたくさんの企業や工房と携わってきた経験を持つネダ先生のワークショップでの経験は次の課題で必要な学生たちのアイデア(クリエーション)と社会を繋げるスキルの第一歩となるとても心強いものになったのではないかと思います。

みなさんお疲れ様でした!

「UNITED STATES OF JAPAN」の様子もStewでアップいたしますので、お楽しみにお待ちください。
合わせてインスティチュートコースのInstagram(https://www.instagram.com/instgram4202/)でも随時情報をアップしていきますので合わせてご覧ください!

多賀谷(tagaya)