2018SHM3 CREATIVITY CAMP報告 1/2

今年もシューメーカーマスターコース3年生は、東京を離れ3泊4日の学外ワークショップ「CREATIVITY CAMP」に行ってきました。

毎年行うこのCREATIVITY CAMPは、本校特別講師ダイアン・ベッカー講師とともに新たなシューズデザインを考える為のリサーチワークショップです。

今年のテーマは「NEW SHOES FROM OLD CRAFT」としており、山梨県身延町にある宿坊「覚林坊」を拠点に様々な伝統工芸工房の見学と、甲州に伝わる【印伝】の見学と体験を通して日本の革文化を学びました。

 

本校特別講師のダイアン・ベッカー講師

 

 

初日、まず訪れたのは釈迦堂遺跡博物館。山梨県甲州市にまたがる縄文時代の遺跡が多く発見された場所です。ここでは5000点を越える土偶や土器、石器などの重要文化財が展示されています。土器の形や様式はそれぞれに意味があり、その時代に生きた人々の生活が見えてきます。縄文時代の人々が何を考え、どのようにそれらの土器を作っていたのか。遺跡や文化材を通して学ぶ事ができました。

 

続いて訪れたのは、身延町なかとみに伝わる西嶋和紙づくりを行う工房です。約3種類の材木を使い、手触り質感の違う昔ながらの和紙づくりが継承されています。工房では職人さんたちによる手漉きの製法で作られる和紙づくりを見学できました。流れ液体を無駄のない動きによって均一な厚さを保ちながら紙へと変身させていきます。高温度の鉄板に貼付けながら、一枚一枚完成させていくその姿はとても美しかったです。

 

山の奥地へと旅路を進めていくと、今度は雨畑硯(すずり)を作る工房を見学です。山から切り出した石は、中国硯にも勝る良石として評価されているらしく、今では硯だけではなく顔料の一部としてや、水を柔らかくしてくれる効果のある石として世間から注目されているようです。数種類のノミやナイフで加工された硯は、きめ細かい石質の為、大変美しく仕上がっていきます。我々が子供のころから見て来た硯とは違い大きさも形も様々で、細かな彫刻がまたその美しさを際立たせていました。学生達は、こちらで作られた硯を使って墨を磨り書き味を確かめ合いました。

 

CAMP二日目は、甲州地方に伝わる「甲州印伝」の見学です。 元来鎧兜の一部や、小銭入れ、タバコ入れとして使用されていた鹿の革に漆等で着色された日本に伝わる革の伝統技法です。鹿の革は非常に柔らかく触り心地のよい革で在り、そこに漆や顔料を型紙を用いて柄を乗せ、強度を上げるとともに装飾効果をもたらします。また「燻べ(ふすべ)」と呼ばれる技法では、藁を燃やして煙を起こし、その煙を用いて革に着色していきます。この技法は色づけと共に害虫に対するプロテクト効果をもたらします。本来は山梨地域にも沢山の鹿が生息し、肉と皮、食と衣・住という人の生活に根付いたモノづくりが形を変えながら現代にまで継承されていることがわかります。

 

工場内の見学だけでなく、実際に革の上に漆を施す印伝の技法にも挑戦しました。若手ながらも確かな技術を持つ「印伝の山本」山本様より印伝の歴史や技術、そしてその方法などを教わりながら試みます。

技法はもとより、その材料とその配合などの継承され残って行く文化とともに、今の時代に合わせた新しいアプローチなども様々見ることができました。

 

川島(tasaka)