Smart Craft Studio in HIDA 特別研究生 津曲文登レポート

こんにちは。

INST特別研究生の津曲文登です。

 

今回、株式会社 飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)が主催する、

国際学生交流ものづくりプログラム「 Smart Craft Studio」に

ティーチング・アシスタント(TA)で参加しました。

私が所属したチームの様子や制作した作品についてレポートします。

 

「Smart Craft Studio」は、Parsons School of Design(米国)、University of Toronto(カナダ)、

香港大学(中国)Shih-Chien University(台湾)の4校の大学で

デザイン・建築・都市計画・メディアアートなどを学ぶ、幅広い分野の学生30名が、

岐阜県飛騨古川市で行うワークショップです。

期間は5/286/18までの3週間のプログラムで、国内からは、私を含む5名がTAとして参加しました。

 

3週間のカリキュラムの中で「組み木」や「曲げ木」といった飛騨の伝統的な木工技術と、

最新のIoT技術とA.I.を学び、飛騨の街や森でそれぞれの分野の方々にインタビューで得た情報を基に、

伝統的な木工技術と最新のIoT技術、AIの可能性を探求しながら

プロダクトやサービスのプロトタイプを制作することが目標です。

 

第1週目

飛騨市長の挨拶から始まった歓迎パーティー。

飛騨の郷土料理や地酒が振舞われ、地元バンドによる演奏なども始まり、素敵な一夜となりました。

 

2日目は、飛騨古川の森を知り、街を散策しました。

飛騨市役所員の竹田さんのガイドにより、森歩きからスタートし、

林業の現状や、木材の未活用など日本が瀕している状況についてお話いただきました。

 

午後は製材所と組木技術が見られる匠文化館を訪問し、丸太から板材に製材されるところを

見学したり、飛騨の匠によって生み出された様々な組木技術を見学しました。

 

3日目は木工体験と木材をデザイン的な視点、製品活用の視点で見るために

飛騨産業のショールーム、工場、研究室のそれぞれを訪問しました。

 

飛騨産業きつつき研究所所長の棚橋博士による、丸太を四角に圧縮した木材や伸縮性のある木材など、

長期にわたる木材の研究成果を見学させていただきました。

 

4日目は地域リサーチとA.I.学習についての講義。

パーソンズ美術大学のデザインテクノロジーの講師、カイル・リー先生によるAIの講義。

 

ミニ・プレゼンテーション

 

5日目は地域リサーチとA.I.ソフト「ワトソン」のレクチャーを行いました。

各グループに分かれ、地域の人たちへのインタビューでは、彼らの生活や仕事、

問題や飛騨に対しての思いなどをヒアリングするところからスタートしました。

このインタビューの目的は、コンセプトとなる可能性や課題を発見することです。

 

農家さんインタビュー

 

coffee shop オーナーさんインタビュー

 

午後はカイル先生の講義を続きを行い、マイクを使ってワトソンに話しかけ、

コマンドを覚えさせる実験を行いました。

 

6日目はIoTワークショップとグループディスカッション。

1週目の最後の日となる6日目は、IAMAS (情報科学芸術大学院大学)の小林茂教授から

IoTのワークショップを受けました。

電子基盤「ラズベリーパイ」は、インターネットと物を結びつけることができます。

 

第2週

IoTワークショップは続きます。

IoTワークショップ2日目はIoTと電子基盤「MESH」を使ってどんなことができるかTeamで考え

簡単なモジュールを作りました。

 

私が所属するTeamAではお店に人が入ってきた時、

Welcome」と「いらっしゃいませ」と書かれた手が横に振ってお出迎えするモジュールを提案・試作。

ペットに自動で餌をあげることができるシステムを考えていた面白いTeamもありました。

 

9日目 組み木ワークショップ

基本的な組み木の構造と仕組みを学び、パズルを制作。


10日目以降はこれまでのタウンリサーチやワークショップで学んできたことを活かし、

飛騨古川で何ができるかをTeamで模索し、ファイナルプレゼンテーションの為に試作とミーティングを繰り返し、

デザインを詰めていきました。

 

ファイナルプレゼンテーション

(私が所属したTeam Aの最終成果)

Team A がデザイン・制作した「SLATED」は、飛騨古川の伝統技法の組み木を使用した

対話型の机モジュールです。

「壱の町coffee shop」内で使用することを想定し、地元の人々や旅行者との交流の機会を増やすことを

目的としました。

例えば、お店で料理教室やワークショップなどのイベントを行う際に、人数とスペースに合わせて

形や用途を変えることできます。

また、搭載された翻訳機能A.I.により日本語が話せない旅行者でも、スムーズに会話や注文ができます。

 

机として使用しない時は、本棚としても使えます。

 

伝統技法の組み木の技術は、自在に形を変えることもできるため、和室やフローリングでも高さを変え、

机として使用可能です。

また、組み込まれた対話型のA.I.は、英語で話しかけたものを日本語に翻訳し、そのまた逆もしてくれます。

なので日本語が話せない観光客も、簡単に注文ができるようになります。

 

他のTeamの作品

 

最後に

初めてSmart Craft Studio にティーチング・アシスタントとして参加し、海外の4つの大学からの

様々な専攻の違う学生を尊重し、TAとしてまとめていくことの難しさを痛感しました。

また、地方に根付く技術と最先端のテクノロジーの融合という試みはとても興味深く、

これからの未来のデザインを考える上で必要になってくる要素なのだと感じました。

短い間でしたが、すごく貴重な3週間になりました。

 

最後まで見ていただきありがとうございました。

 

特別研究生 津曲 文登

 

齋藤(Fukumoto